私はシン・ゴジラが好きだ。巨大生物の出現から対処に右往左往する政府関係者、タバ作戦の武器の無制限使用。ヤシオリ作戦も。
巨躯を揺らしながら、しかし軸はぶれず進むゴジラの強さ。急激に進化し第3形態以降の無機質で生物とは言い難い造形(前田さんのデザイン好き)。
放射熱線の時に顎がヘビのように二つに分かれ、黒煙を吐き、熱焔になり、放射熱線となる。歴代のアトミックブレスで1番好きだ。絶望感が凄く、かっこいい。
下手なホラー映画よりも上記にある熱線の夜のシーンは怖い。
米軍のMOPⅡ攻撃。
悲壮感溢れる曲で何が起こるか理解する。
「Who will know」が流れ始めると米軍の攻撃は無駄なのだということを。初撃後、ゴジラによる放射熱線による迎撃で大破する米軍機。絶対的強者による蹂躙。崩壊する街。
放射熱線により街が燃やされ壊滅する場面は1954年のゴジラを彷彿とさせる。ゴジラが最強で最恐の生物であると。
街を壊滅させた炎の明かりが照らすゴジラの姿は強大で神々しい。モノクロはその荘厳さを際立たせている。神を冠するGODZILLAらしく。
オルソでは色の情報が少なく、画面レイアウトの良さや会話、軍事作戦で多く人の表情の機微がしっかりと見えるのが良い。(エンドロール含め)119分でこんなにテンポがよかったのか、と当時は感じられなかった部分などを発見できた。
16年の初見時はEM20の多用はエヴァの実写では?と思っていたくらいだ。だが、伊福部昭のゴジラのテーマが流れると否応なくこれはゴジラ映画なのだと再認識させられる。唯一無二のテーマ曲。
『シン・ゴジラ:オルソ』良すぎた。モノクロはオリジナルよりも好きだ。ゴジラ映画で一番好き。ゴジラの造形も好きだ。
PS.『ゴジラ−1.0』も観た。面白かったが、庵野さんが言っていたように人間ドラマが長かったとは感じた。54年のオマージュもあるが、銀座を破壊した部分に絶望感を感じなかったのが少々物足りなかった。予告にもあるが、海神作戦での駆逐艦雪風と響が交差するとこ好きだった。ゴジラのテーマが入るタイミングも良かった。アトミックブレス後の焼けたゴジラの顔も好き。尻上がり的に面白くなる作品であったのと、万人受けする作品であることは確か。